1 ストレスへの防衛
人はストレスに対して、無意識のうちに適応障害を避けようとします。無意識のですから、なかなか自分で気づくものではありませんが、気がついたときには、気分転換が必要です。
人は無意識のうちに、次のような考え方や行動をとって、自分を守ろうとします。知っておくと、自分のストレスへの気づきが生まれます。
人は、すぐに変えることができるものと変えることができないものがありますから、自分自身のものの見方や言動に気がついたとき、素直に、気持ちや感情を受け入れることが、対処へに役立ちます。
〇抑圧
無意識の世界に押し込める。気になることを意識しないようにする。
〇同一化
親の真似、ごっこ遊び、アイドルなどの真似をする。
〇補償
勉強がだめでもスポーツならだれにも負けないと思って満足する。
〇転換
欲求を他のものに転換する。好きな人の形見を大切にしたりする。好きな人のハンカチや髪の毛を、お守りのように持つことで、いつも一緒であると満足します。子供では、親の代わりに毛布やぬいぐるみを肌身離さず持ち歩きます(スヌーピーのライナスのブランケットです)。
〇反動形成
反対の態度をとる。好きな子の悪口を言ったりする。
〇昇華
欲求をスポーツや宗教党の方向に変える。中学生や高校生が異性を意識し、もやもやする気持ちをクラブに打ち込むことで解消したりする行動です。
〇合理化
もっともらしい理由をつけて満足する。好きな人に想いを打ち明けられず、あの人は自分にはもったいないからあきらめようなどと、理由を付けます。
〇退行
精神の若年化、子供帰りです。おむつが取れた子供が、突然オネショをしたり、指しゃぶりを出したりします。
〇攻撃
手首を切ったり、髪の毛を抜いたり、空想にふけって気持ちをまぎらわせます。
〇逃避
人と付き合うのを嫌い、部屋に閉じこもったり、空想にふけったりして気持ちをまぎらわせます。
〇投影
自分の欠点を相手に見出します。ケチがケチ、チビがチビと言うことです。
このような行動に気がついたときには、周囲の人たちが、ストレスから解放してあげる配慮をすることも大切です。
ストレスをコントロールするためにはどうしたら良いのか。ストレスに強い人、弱い人の一般的な傾向を挙げてみます。あなたはどちらでしょうか?
まずは、自分がストレスに強いか弱いかを見極めましょう。
〇ストレスに強い人の傾向
- 自分の思い通りにならなくても「まあいいか」と受け流せる性格
- 嫌なことがあってもくよくよせず、すぐに切り替えられる
- 何でも自分に都合良く解釈するポジティブさがある
- 困ったときはすぐに人に頼れる
- 趣味を持っていて、現実逃避が上手
〇ストレスに弱い人の傾向
- まじめで、細かいことにもこだわる几帳面
- 一度言った自分の意見は譲らない頑固者
- 自分の意見があるのにはっきり言えず人に合わせる
- 頼れる人が周りにいないと考えて悩みを溜め込みがち
- すぐに他人の失敗を責め立ててしまう
これはあくまでも傾向です。自分のストレスへの強さを知るための参考にしてください。