《人間関係は自分の心が映し出される鏡のようなものです。誰かを“嫌な奴”だと思うのは、自分がそう思うから、相手が“嫌な奴”になってしまうのであって、最初から相手が“嫌な奴”なのではありません。

その証拠に、自分が心穏やかなときには相手もそのように対応してくれますし、ピリピリしていると相手も緊張感を持ちながら対応するようになります。

日常会話なんて、どうでもいい会話がほとんどで、お互いに気持ちよく話ができれば良いだけのものですから、いわば放談の場。ついつい「いや、それは違う。こう思う」なんて言ってしまうと、和やかな雰囲気は一気に壊れてしまいますし、あとから「あのときに、こう言っていた」なんて言い始めると人間関係が壊れてしまい、会話の自由度も失ってしまいます。

心温まる話というのはご自分の心持ちと相手の方とのハーモニーから生まれたもので、それが善き人間関係を作っていくのでしょう。(A.Y)》

前回は、私の無知で大変お騒がせいたしました。改めて、お詫び申し上げます。今回はこのコロナ禍のなかで、ちょっと心温まるお話しです。

それは遡ること3週間ほど前に、感染症拡大防止協力金の交付の受付が始まったので、申請書類と店の写真を送るために初めて、アイパットで写真を撮ったのです。問題はここからでした。

どのようにと云うよりも、どこに持っていって現像して、いや待てよ、現像はフィルムの写真の話で、フィルムではないので一体何と云うんだろうと思いながら、西麻布近辺のカメラのキムラ屋を検索しました。

これまでは姪に総て撮ってもらって、カメラのキムラ屋で写真にしてもらっていると聞いていたのです。結果、この近辺にはないのが分かり、別のサイトで検索し、見つけました。麻布十番に。早速電話して場所を聞き、そして一番重要なことを聞きました。それは「ラッタッタで行って、駐車することが出来ますか?」です。答えはノーでした。場所は、麻布十番。あの有名な赤い靴の女の子の広場。あの緑の制服を着ているおじさんが沢山居てもおかしくないエリアです。すると、ときどきそう云うお客様もいらしておられるとのこと。早速、急いで行きました。

ここまでは良かったのですが、店に到着して気がついたのです。何がって、本当に慌てていたので、マスクをしていないのに気がついたのは、店に入ってからでした。

ダメ元でカウンターの女性にマスクを付けていない非礼をお詫びしました。するとお姉さんは一言「ちょっと待ってください」と云って、カウンターの中の事務所に消えていきました。ああ、こりゃダメだ、と思って帰ろうとすると、お姉さんが事務所から出てきて、手を差し伸べました。なんと、その手にはマスクが。一言「お使いください」「私の予備ですが」。なんと嬉しいことでした。

そして、私が今日初めて写真を撮ったことを説明すると、本当に親切にゆっくりと「分かりました。ではご一緒に」と云って、写真を印刷してくれました。わずか239円でした。御礼をお伝えし、帰途につきました。ラッタッタにまたがった瞬間、頭のなかは、何か小さなプレゼントを、でした。

もう何年ぶりに人様に差し上げる贈り物を選ぶ楽しみまで与えていただいたお嬢さんに感謝、感謝で店に着くと、家内が「何、その嬉しそうな顔」の一言。やはり人は顔に出るものなのですね。

ことの経緯を話すと、「あら、良かったじゃない。でもあまり高いものはダメよ。相手の方に負担がかかるから」でした。

翌日、同じ麻布十番の日進ハムへ。そこでウイスキーボンボンを求め、昨日のPALETTE PLAZAへ。この日は生憎、親切なお嬢さんは休みでおりませんでしたが、事情を説明し、お渡しいただきました。

実は、昨日も写真を印刷するためにPALETTE PLAZAへ参るとあのときのお嬢さんがいましたので御礼を申し上げると、笑顔で「とんでもない。美味しくいただきました」と。

今日も良い日だと思って、帰って来ました。親切って良いですね。

そしてつい4日前のお話です。

おじい様と、失礼、ご家族構成上、そのようにしか表現できない編制でお見えいただいたのです。それはおじい様と娘さん、そしてお孫さんお二方の4人でした。まる1ヶ月前に、おじい様とYちゃんとお二人で来られました。

Yちゃんは、デザートのメレンゲが大層お気に入りの中学2年生の女学生。席にお着きになる前にYちゃんが前回のときより何か背がすらっと伸びたように感じられました。たかだか1ヶ月で。で、Yちゃんに「Yちゃん、背がまた伸びたの?」と聞くと「いいえ」と一言言いながら、髪の毛を触りながら席に着いたのでした。そしてまた一言「ヘアードネイション」と。

最初は何のことか分からずに、すると家内が「髪の毛を切ったのよ。ショートに」。そう、前回のときは、腰に来るぐらい長い髪が、バッサリと耳の近くまで切られていたので、あたしの目にはすっきりと見えていたのでした。するとYちゃんが髪をまた触りながら、「あのね。小児がんの子供たちのかつら用にきったの」。

総てが分かりました。優しい子に育って良かったと思いました。

食後、Yちゃんの学校の話しで、第二外国語にフランス語を取った話しで、発音が覚えられないから、前回書いたチューリッヒの話になりました。こちらのご家庭ではおばあ様がスペイン語で話し、お母様が英語で話されているので耳は良い方なのですが、週に2時間ではあまり聞き取り方、リスニングが足りないという結論に達しました。何せ、お母様は大学でスペイン語を教えていらっしゃるので。

もう一つ、大変嬉しかったことは、お兄ちゃんのS君は、旧龍圡軒のホールをハイハイで闊歩、ハイハイで闊歩はおかしい・・・、要は元気でいたのです。が、3歳のときに小児癌になり、2回割腹をしているのです。今は元気で、2年前の夏にはマラソンをしていると話していましたが、こちら様の御友人で手前どものお客様になっていただいた方から、S君がお正月に入院したとの話を聞いていたのでした。

こちら様のお墓が青山墓地にあるので、毎日の散歩で、お参りに立ちよさせていただき、S君の無事を祈っておりました。店に車が着いたときに元気に「こんばんは」を聞いたときには、良かったと思いました。

そして現在、高校1年生になり、大変素晴らしい学校で、今年度の高校生から自分で7つの選択肢の中から選んで学校に行くカリキュラムがあると報告してくれました。

いわゆる大学のゼミのようなことで、彼は気候と海洋を選びました。1年後が楽しみです。 帰り際に、「1年後にレポートを出してね」と云うと、元気に「はい、分かりました」でした。

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