地球の温度(日射量の変化)は、太陽との位置関係(太陽からどの位離れているか/離心率)と地軸の傾きによる太陽光のあたり具合(地球の地軸の傾き/地軸傾度と地軸のすりこぎ運動/歳差運動)によって、周期的に変化するとされていて、素人の私などは、ごく自然に、「地球の温度は太陽によって決まる」と信じている。
太陽の動きと地軸の変化と気候変動の相関関係の仮説をたてて、1920年代、数学的に解明したのが、セルビアの地球物理学者、ミルティン・ミランコビッチ。
ミランコビッチ・サイクルと呼ばれ、地球規模の大きな気候変動は何万年かの周期で繰り返していることを説明し、その後の研究でも非常に正確な計算で間違いないとされている。
一方、火山が噴火すれば大量のCO₂が排出されるし、大量の火山灰が太陽光を遮って瞬く間に気温を下げてしまうこともあるし、大地震が起これば、大陸プレートが動いたことによって地球の重心(地軸)が少しずれたようだ、とNASAから報告される。つまり、予想外の事象で、太陽光の当たり方は、微妙かつ容易に変化してしまうので、短期的な説明は難しい。
そうすると、自然の節理で決められる地球の気温が、人間の活動によって排出されるCO₂で決まる、と断定するのはいかにもおこがましい。人類は「自然を克服して発展する」のだという、産業革命以後登場した科学万能主義的な考え方の裏返しでしかない。
人間は、宇宙の動き、大自然の働きを受け入れざるを得ない。そのなかでどう生きていくのかが、私たちに与えられた課題であり、それを受け入れて、変化に適応しながら生きていくのが私たちの進歩なのだ。
時間も、季節も、人間の身体の働きも、ときには感情さえも、自然界によって支配されている。
自然によってもたらされる災害は克服しなくてはならないが、人間が自然を支配することはできない。自然の変化に適応しながら、“災害”を克服していかなければならないのだ。
環境を保全することには賛成するが、行き過ぎ、言い過ぎで、人類の歩を妨げてしまってはいけない。もうちょっと謙虚な物言いをして欲しいものだと思う。
ちなみに、地球の気温とCO₂の量は相関関係があることは間違いないが、地球の気温が上昇すると、海洋中に大量に吸収されているCO₂が海洋から大気中に排出されるのだと言われていた。
つまり、気温が上昇するから大気中のCO₂が増加するのであって、CO₂が増加するから気温が上昇するのではないというのが定説で、ついこの前までは、原因と結果は逆だったのだ・・・・。
私の好きな映像、宇宙の大きさを体感できる動画。これを見ると、人間が自然(地球の気温)を決定づけるなどとはとても言えない。