令和4年(2022年)5月15日 沖縄返還50周年。

沖縄が話題になるたび、いつも思い出すこと。

66年、ユダヤ戦争で、ローマ軍にエルサレムを落とされたのち、女・子供を含む967人のユダヤ人は、死海のほとりにある要塞マサダに籠城した。

山頂へは細い登山道が一本あるのみで、切り立った崖に囲まれていたが、1万5千のローマ軍団に包囲され、陥落は目前となった。

抵抗を続ければ殺され、降伏すれば奴隷。奴隷となるよりは死を選んだユダヤ人は、ローマ軍が突入したとき、73年5月2日、全員が集団自決していた。

マサダ陥落によってユダヤ戦争は終結し、これを契機にユダヤ人は祖国を失い、約1900年間の流浪の民となる。

マサダはローマ軍により徹底破壊され、長い間その所在さえ分からなくなっていたが、1838年にドイツ人考古学者によって所在が確認された。

イスラエル将校の入隊宣誓式はマサダで行われ、卒業生は山頂で「マサダは二度と陥落せず」と唱和し、民族滅亡の悲劇を再び繰り返さぬことを誓う。

今、マサダはユダヤ人の聖地となり、世界遺産になり、イスラエルの誇りとして語られている。

私は、沖縄戦当時の沖縄の人たちの振る舞いを誇りに思う。

身をもって日本人の祖国を守る気概を示し、日本を守ることに大きな貢献をしたからこそ、日米に畏敬の念が生まれ、戦争で失われた領土返還が実現したのだと思う。

先人に対する誇りと自信こそが、未来を拓く。

イスラエルは、自力での国家防衛の糧として先進技術の開発に努め、世界をリードしている。沖縄もまた先進技術で未来を拓こうとしているが、イスラエルに素晴らしい一つのモデルがあるように思うのだが。