フードバンク、子ども食堂などの実態を把握するために、先回の世田谷区社会福祉協議会訪問に引き続き、今回は、約40年間食支援活動を継続されている一般社団法人全国食支援活動協力会を訪問し、平野覚治専務理事にお話を伺った。

全国食支援活動協力会は、1986年以来、約40年近くの歴史がある。

これらの要食支援者の実態は、コロナ下での食支援活動を通じて明らかになったが、それまではまったく実態が把握できていなかったとのこと。

さまざまな事情により食支援のニーズが生じているため、行政はカバーしきれていない。

特に、自己申告者に対する支援を基本としていること、車を保有している者が生活保護の対象にされていないことなどが、実態の把握を難しくしている。

また、食事を作ることを知らない人たちが増えていて、米や野菜などの食材を配給しても料理の仕方や食べ方を知らない人たちが増えているというのは、驚きだった。

効率的に食支援を行うためには、需給バランスを図ることが重要で、1800か所の子供支援団体から上がってくる需要に基づいて、動かしている。

このマッチングが上手くいかないと、食支援活動のなかで、食品ロスが生じてしまう。

本システムは、あくまで現場の「需要」を基準として動かすことによって、効率的に機能している。

本部~ロジ拠点~ハブ拠点をつないでいるWEBシステムとして、ミールズ・オン・ホイールズ・ロジシステム(MOWLS)を構築している。

本部は、食品提供団体との連携を図り、企業や行政との調整を実施し、問題解決の役割分担を調整している。

37か所のロジ拠点は、需給のマッチングをコーディネートする拠点。

76か所のハブ拠点は、1800か所の支援団体が食品を採りに行く端末地になっている。

支援団体は、子供から高齢者まで、さまざまな事情で生活に困窮している方々を網羅している。

これをチェック機能を担っているのが、ロジ拠点の「コーディネーター」で、寄贈品受け取り希望の有無の回答、送付先の調整、決定を行っている。