《子供の頃、リンゴが落ちたからどうした、風呂の水が溢れるって当たり前じゃないか、なんて思いながら、ニュートンやアルキメデスの発見譚を聞いていた凡人が、今頃になって、身の回りの些細な違いや小さな出来事に気がついて、感動したり、観察したりできることって、とても素敵なことなのだと感心しています。
子供の頃に感動したり、不思議に思ったりすること、あるいは社会に出て、若い人たちが批判的にものを見ること。それを持ち続けて、納得して、解決するまで持ち続け、挑み続けることができるかどうかが、成長するかしないかの違いかも知れません。 そういう好奇心やチャレンジする気持ちは、いつになっても大切にしたいものです。 》
おしゃれと云えばテーブルクロスの話ですが、家内が云っているクロス(リネン)が、私が思っている物とどうも違うようで、話が通じないのです。家内が云っているのは麻のクロスなのですが、そんな布でナプキンを作ったって、私の知っている物とは違うように思うのです。それでうだうだ云ってもしょうがないので調べてみました。
結果、私の云っているリネンは英語の(Linnen)で、日本語では亜麻(アマ)。家内の云っているのは英語(Flax)、麻(アサ)でした。
亜麻は寒い地方、カフカス(ロシア南西部)からアラビア半島が原産地で、日本では北海道だけが産地。麻はマニラ麻が有名で、麻の繊維は、通気性に優れ、伸びにくく強靱で、ロープ、麻袋、注連縄に使われ、衣料品は指定外繊維。
亜麻は、同じく通気性に優れているが、吸湿性があり、柔らかく、強靱で肌触りが良いので、下着、シーツ、タオルに使われます。ちなみにランジェリーは、フランス語の(Lin)からきていて、亜麻でできた高級下着の由来です。
蛇足ですが、Lin(男性名詞)①(植)亜麻(あま)、grain(種) de Lin亜麻仁(あまに)、huile(油) de Lin亜麻仁油、②(織)亜麻糸、(a)fil(糸) de Lin 、(b)亜麻布、リンネル foilc(布) de Lin、③Lin mineral(鉱物の)〔foissite(化石)〕石綿。
面白いので、ついでに。
Linge(男性名詞)①(a)リンネル(キャラコ)製品、avoir(持つ) de linge(卑)裕福であるlaver(洗う) son linge(彼の下着) sale(きたない) en famille(家族の) 《家族で彼の汚い下着を洗う》で(俗)内部の醜状を明るみに出さない。linge de corps(体)シャツ、ハンカチ類。Linge de lit (ベッド)敷布類。linge de cuisine(調理) menage(家政)布巾、エプロン類。Linge de maison(家)台所、食卓、寝台用白布の総称。linge de table(テーブル)ナプキン、食卓布類。linge de dessous(下)下着類。(b)下着・ハンカチ類(=linge de corp(体))。changer(替える) de linge 下着を替える。②リンネル(キャラコ)の布きれ。
中学一年から愛用しているスタンダード佛和辭典より。
この辞典はお亡くなりになるまで長くお越しいただいた水野明路先生が編纂された辞典でした。お亡くなりになってから辞典を読んでいて先生のお名前を見つけてびっくり。知っていればサインをしていただいたのに、と思いました。
横道が長くなりましたが、これで私もフランスのコルシカ島のバルベティエンヌ邸で見た肌触りの良い薄いテーブルクロスとナプキンが合致したのです。なぜかと云うと、シルクはナプキンに使いませんからね。
ちなみにテーブルクロスと云えば、私が小学校の頃、店に十間のテーブルクロスが2枚ありました。長さ18mで、教会の結婚式に使うもので、畳んで置いてあると高さ20cmくらいあったと思います。
小学校5、6年になると、日曜日に宴会があるときは、3軒隣のスマイリィー洋服店で作ってもらった詰め襟を着て、ドアボーイ、お運び、皿洗をしていました。
教会への出張も、一丁前に着いていきました。この頃、日本の高度成長により、教会での結婚式がかなりあり、同じ日に父、母が別れて2組の結婚式をさせていただいたときもありました。
今、この文章を書きながら、ふと、なんでうちは教会の出張を行えたのかと思い考えました。なかなかこれはという答えは出てこず、古い写真を見ていると、三代目の父が若い頃、英国大使館でウェディングケーキを作った写真が出てきて、「あっ、そうか」と。
父は復員後に、フランス大使ジェネラル・ピッチコフ大将付のコックとなり、大使帰国後に英国大使館にてコックとして勤務。ここで母と出会いました。
そう云えば幼少の頃、父からカンタベリー大聖堂の話を聞いたことが何回かあったような気がしてきました。多分そんな繋がりかなと思いました。