■性別で変わるストレスの要因・感じ方

ストレスの要因は、性別によっても傾向が異なります。

女性はホルモンバランスが乱れやすいので、自律神経の働きが悪くなり、頭痛や不眠などの不快な症状に悩まされることが多く、こうした身体症状がストレスの要因になります。

また、共感性を大事にする傾向が強いため、人間関係の不和に敏感になる傾向があり、職場の人間関係でストレスを感じる人が多くなります。

それに対して男性は、ストレスを受けてもひたすら自分の中に溜めこんでしまう傾向があります。

「男は強くなければいけない」という意識も手伝って弱音を吐くことができないのかもしれませんが、そのため、ストレスによる身体症状が重症化してから病院の診察を受ける人が多くなります。

■ストレスの内部要因

ストレスを発生させる源には、大きく分けて「外部要因」と「内部要因」の二つの要因があります。「外部要因」は、置かれている職場環境などの状況に起因するもの。「内部要因」は、自分自身の物事のとらえ方に起因するものになります。

ストレスの「内部要因」を簡単に言うと、自分自身の「物事のとらえ方、考え方の癖」のことで、「認知」などとも言われます。

メンタルタフネスを弱めてしまう「性格傾向」には、次のようなものがあります。

〇失敗を認めない傾向

自分の失敗は許されないと思い込む向で、仕事にかかわるシーンで多い。

〇高い目標を掲げ過ぎる傾向

自分には高い成果が求められていると思い込んで、どんどん目標が高くなって、現実的でなくなる。完璧主義の人たちにこの傾向は強い。

〇他者への依存が強過ぎる傾向

他人に対して都合の良い期待をしてしまい、相手が期待に応えてくれないとつらくなる。

〇他者への非難傾向が強過ぎる場合

他人の失敗を許さず責めたてる傾向のことで、相手に対する期待とも関係があり、思い通りにいかず、イライラ感や我慢できないことが増える。

〇神経質な傾向

周囲の物事に対してあまりにも過敏に反応する。

〇自己没入の傾向

自分の「悪い側面」について考え込む。

〇自己抑制の傾向

自分の考えや気持ちを表現できない傾向のことで、ストレス性の胃腸障害など、体にストレスの影響が出てしまう。

〇攻撃的な傾向

人に対して攻撃的な言動をとり、行き過ぎるとモラハラになる。ストレスの影響が、高血圧や循環器(血管、心臓など)に出ることが多い。

こういう傾向が強くなると、何気ない出来事でさえストレスと感じて、心身に影響を受けてしまいます。

メンタルタフネスへ向けて一歩前進するためには、これらのストレスの「内部要因」となっている自分自身の「性格傾向」を把握することが第一歩です。