3 人間関係の5つのパターン
組織のなかで仕事をしているとき対人関係がストレスになることがありますが、その対人的ストレスへの対処行動のパターンを表した「葛藤モデル」があります。
〔山口裕幸著「チームワークの心理学」サイエンス社p85から作成〕
このモデルは、「どれくらい自らの利害を主張するか」という「自己主張性(assertiveness)」を縦軸、「どれくらい他者の利害に関心を寄せるか」という「協力性(cooperativeness)」を横軸にとり、他者との葛藤処理のパターンを整理したものです。
他者との人間関係を上手に扱うことができるようになるための第一歩は、自分がストレスに直面したときに表しがちクセ、「反応パターン」を自覚することです。
例えば、誰かに何か腹が立つことを言われたとき、「黙って我慢する」というパターンのみを取っていれば「ストレスがたまり、鬱々とした気持ちになる」など似たような結果を手にしがちです。
○競合
自分の利益を最大化するため競い、相手を打ち負かそうとする。自分の主張を譲らない。
○譲歩
相手との関係維持を重視し、相手の主張を受け入れて、譲る。もしくは屈服させられる。
○回避
争うこと、相手に会うことそのものを避けようとする。直面しない。
○妥協
お互いに譲る。痛み分け。
○協働
お互いの意見や主張を否定することなく、より俯瞰的な立場から「第3の案」を考えようとする。
自分がどのようなパターンをとりがちか、考えて見てください。陥りがちなパターンを自覚できれば、他のパターンを選択しやすくなります。
それぞれのモードに優劣があるわけではありませんから、自分のクセを把握し、最も生産的な「協働」モードに持っていく努力をすることです。
交渉などでは、「競争」モードを用いて自分の主張を譲るべきではない場面もあると思いますし、そのときのテーマに関係のない議論は、「回避」した方がよいでしょう。長期的な人間関係を見据えて、「譲歩」したり、「妥協」したりした方が良いときもあります。
状況に応じて、複数のパターンを意図的に使うことができるようになれば、人間関係のストレスは激減します。
少しずつトレーニングしていくことが有益です。