2 思考を整える
一般的な、思考の手順をあげると、次のようになります。
- ありのままの自分を受け入れる
- なぜそのように感じるのか
- 何が問題なのか
- 何が原因なのか
- 何が影響しているのか、影響の大きな要因は何か
- 最悪のケースなのか
- 自分だけの問題なのか、皆が抱えている問題なのか
- 誰かに支援を求めることはできないのか
- 良いところはどこか
- 新しい実行可能な解決方法はないのか
- 根拠がないもの、論拠の不適切なものを取り除く
- 幅広く考えて、固定観念を外す
- 問題を取り組みやすいレベルまで、小さな要素に分割する
- 今すぐにやるべきことから順に、時系列に、優先順位をつけて整理する
- 新たな方向づけを見いだす
- 今からやろうとすることを数個の選択肢にまとめる
- どの選択肢をとるか、最良の方針を決める
- 実行要領を考える
そして、行動に移ります。
分析的に考えることで、雑多な感情を整理していきます。それは、自分自身の目標を再確認することから始まり、より良い行動に結びつける動機づけになります。
3 感情を行動に結びつける
このようなポジティブ思考を整えて、マイナス感情のなかからプラス要因となる希望や可能性を見つけだし、それに向かって進む方策を考える論理的な思考習慣を養うことでレジリエンスは鍛えられます。
考え方の手順は改めて「問題解決の方法」で述べますが、目標を見つけて順序立てて考えることによって、内面からの強い動機を引き起こし、目標実現に向かって可能性を組み立てていくことができるようになります。
これは、複雑な感情によって分散させられていたあなたの心のエネルギーを一つの方向に集中させていくノウハウです。
そして、行動は周囲の人たちとのつながりを創りだし、他者とのつながりは、何かの役に立つ喜びを感じさせ、心の豊かさを生みます。
過去に起きた「出来事」からプラスになった要因、プラスになる可能性のある要因だけを引き出して記憶に刻むことによって、あなたの感情や行動をよりポジティブな方向に向けることができます。
プラス思考を身につけるゲームだと思ってください。
悲しかったこと、辛かったこと、嫌なこと、怒りを感じたことなどを感じたさまざまな出来事のなかから、喜び、楽しみ、嬉しさ、充実感、幸福感、感謝などのポジティブな気持ちだけを思いだすことを習慣化し、その気持ちを行動に結びつけていくのです。
ポジティブ思考は、誰もが身につけて習慣化することのできるものなのだ、ということです。
例えば、ハビッツ・ゲーム(習慣化のゲーム)だと言われるバスケットボールは、狭いコートで激しく動き回るなかで、瞬時に判断し、行動しなくてはなりませんので、練習を通じて、考えずに行動(反応)できるまで反復して練習します。武道では、一つの型を身につけるまで反復して練習することを積み重ねていきます。それに似ています。
専門家(コーチ)の適切なアドバイスがあれば、効率的に身につけることができるのは言うまでもありませんが、それはあくまで、あなた自身の力に気づきを与えて潜在能力を引き出す、サポートする役割でしかありません。
内面に変化を呼び込むための第一歩が、「自分を知る」ことです。
ポジティブな思考によって行動を呼び起こし、行動することによって、より積極的な感情を引き出していきます。行動は、他者とのつながりを強くして、人格の向上や他者のお役に立つ喜びに結びつき、喜びはポジティブな思考を育てます。
「ニワトリが先か卵が先か」はどちらでも良くて、行動に結びつけることがポイントです。