仕事の進め方を管理する手法に、PDCAサイクルがあります。
生産における品質管理や業務管理などにおいて、Plan(計画)→ Do(実行)→ Check(評価)→ Act(改善)の4段階のサイクルを繰り返すことによって、継続的に業務を改善し、生産性や業務の効率性を高めるために使われています。
業務のストレスを排除して、組織のレジリエンスを改善していくのに有効です。
この管理技法では、実行責任者自らが計画を作ることで、何のためにしているのか(目的)や何を目指しているのか(目標)を明確にして、それを関係者に強く意識(集中)させることからスタートします。
そして、その目的や目標の達成を阻害するストレス要因を継続的に排除することで、業務の効率性や生産性を向上させることができます。
利点としては、
・目標達成や問題解決に向けた道筋を立てることができる
・個人や組織のやるべきことを明文化することで、明確な目標を設定ができる
・目標に対する成果や失敗、目標と結果の乖離も明確に分かる
・どのように改善すれば良いかなどを具体的に検討できる
などがあり、その結果、関係者の参画意識と責任感が高くなって、仕事に対する楽しさや充実感が得られる、という効果があります。
① Plan (計画):従来の実績や将来の予測などをもとにして計画します。
数字で把握できる指標を用い、誰が見ても分かりやすく、具体性のある目標にして、5W2Hの要素を入れます。
誰が(Who)
いつ(When)
どこで(Where)
何を(What)
なぜ(Why)
どのように(How)
いくらで(How much)
② Do (実行):計画にしたがって実行します。
計画で示した目標を追求します。業務の結節、時間的な結節で、実行状況を確認します。小さな不具合は、その場で処置して実行を継続し、大きな不具合は、結節をとらえて修正します。
進捗度や時間を追って、数値的な結果を記録します。
③ Check(評価):計画が適切であったかどうかを評価します。
計画通りに実行できたかどうかについて、数値等の具体的な根拠に基づいて、評価します。
計画通りに進まなかった場合は、その原因が計画の前提にあるのか、計画の前提となった環境の変化にあるのか、計画そのものにあるのか、人的・物的な資源にあるのか、実行要領にあるのか、実行者にあるのか、実行者の連携にあるのか、不可抗力なのかなどを分析します。
うまくいかなかった原因を実行者だけに押しつけてはいけません。
④ Act (改善):実施が計画に沿っていない部分を調べて改善をする。
評価に基づいて、計画を命じた者、計画者、実行者など、関係したすべての者に改善を要請、または命じます。改善処置は、全員にフィードバックします。
この手法は、実行段階当初から、気づいたことをすぐに改善する柔軟性が不可欠です。
計画~実行~評価~改善の全過程に責任を持って、実行、管理する権限を与えられている、比較的小さな組織では特に有効です。
小規模な事業者や家庭内などにおいて、このPDCAの考え方を活用して計画すると、ストレス要因の発見、改善がやりやすくなり、大事なプログラムを円滑に実行して、効率的にスキルアップすることができます。
計画者と管理者と実行者の責任と権限が分かれているような大きな組織では、このサイクルを回すこと自体に相当な管理労力がかかり、効率が悪くなります。
担当者を指定するか、ひょっとすると担当部署を設けなくてはなりません。
組織全体の業務実施要領と整合させなくてはなりませんので、その組織特性に応じて、個別に検討する必要があります。