意識を変えるというと、すごく大変なことのように思う方が多いと思うのですが、身近なことから手をつけることが大切です。

指揮官をしているとき、人の「意識を変える」などと大それたことは考えませんでしたが、どうしたら自分の言うことを聞いてもらえるか、理解してもらえるか、言葉よりも行動で現してもらえるか、ということは常に考えていました。

紹介する一つの例が、健康管理です。

若い頃、部隊で約5年間、レンジャーの教官をしていたので、「体が資本だ」ということを身に滲みて感じていました。体力のない者は、いくら強がりを言っても根性論を語っても立派な道徳を説いても、元気な者には適いません。どんなに苦しくても何が起きても黙々と仕事を進める能力のある者が一番です。

人間、しんどくなると不平不満を言うのが常で、体力に余裕のある者は文句も言いませんしへこたれません。

まぁ、簡単に言うと、疲れて文句を言う人間を減らしたい。年を取って、体力がなくなって、サボる者を減らしたい。訓練で疲れて、突然死してもらっても困る・・・・だから健康管理に気をつけてくれ、そんなところでしょうか。

連隊長をしていた当時の施策を紹介した、陸上自衛隊の部内誌に投稿した記事です。