《この稿、岡野さんの主張する「学校改革」には、諸手を挙げて賛成します。
学校のクラブ活動の趣旨は、二昔前とはまったく違ってきていて、野球もサッカーも水泳も、ほとんどすべてのクラブ活動がプロ育成の予備軍、ファン拡大の受け皿、学校の広報宣伝の道具になっていて、本来の教育にしわ寄せを与えているように思います。
オリンピックにコマーシャリズムの波が押し寄せたのと歩調を合わせるように、アマチュアの世界にプロ化の影響が広がり、プロが選手育成の裾野とファンの受け皿拡大の場を学校のクラブ活動に求めていった結果です。
もう一つは、家庭の親たちの、学校への安易な依存でしょう。
高等学校に、スポーツや音楽や芸術の専門部門があっても良いとは思いますし、競う場があることは良いと思いますが、二昔前、学校で先生方が“余暇”に指導していたクラブ活動とはまったく異質なものになっているように思います。 テレビで、高校○○○選手権を見るのは楽しいですが、それと学校の在り方とは別の話。本業を中心に考え直す時期ではないでしょうか。賛成!!(A.Y)》
また、続きです。その根本的な問題とは、日本の教育行政の部門の方々は、現場で何が起きているかが分かっておられないことではないかと思います。
想像でものを云うのはおかしいというのは承知の上で、云わせていただきます。
その部門の担当の方々は、長年、上司の指示の下、前年までに起こったことの情報を元に、色々と新たな指示を出しておられると思います。その情報とは、各現場の提案や問題、そして苦情などが集められた文章によって、上に吸い上げられ、実行に移されると思います。
私の部門、そう、料理で云うと、皆さんが誰でも知っている料理、カレーライスでお話しします。カレーと云っても、各家庭、また皆さんの行きつけのお店のカレーは、皆、違うと思います。そこへ問題が起こります。それはチキンカレーだったのですが、チキンの味がしないという苦情が出ていますと、文章で上がってきてます。
皆さんでしたら、どの様にしたらこの問題を解決できるでしょうか?
私は現場のプロなので、すぐに答えられます。この答えは、次の次の回にお書きします。この担当部門の方々はその道の専門官なのですが、私のように現場の経験が少ないのです。ここに問題点があると思います。
次は何人もの先生から異口同音で出る話が、文科省に上げる報告書が大変とクラブ活動大変でした。
報告書ですが、これはアメリカの影響が大きいと思います。
30数年前にある一級建築技師の方からアメリカの一級建築技師の設計書は莫大な量になるとの話を聞かされました。誰が施工するか分からないので、誰が行っても出来るように、たとえネジ1本を留めるにしても、どの種類の、どのネジを、どの工具によって、どの様に使うかをその都度に仕様書に書くと云っておられました。
これは訴訟社会のアメリカで、もしも何かあったときに、私はこのようにしてくださいと書いてあったのを別の方法で作ったので、私の責任では無いという自己防衛だと云っておられました。たぶん、このような発想の下、問題解決のためではないでしょう。
今回の日本でのコロナワクチン開発も前に起きたワクチン訴訟で、政府も製薬会社も二の足を踏んだという噂がある様です。
ここに報告書の問題があると思います。
クラブ活動ですが、これについては9割8分の方々から、お前は何を言っているんだと怒られそうですが、私の持論をお話しします。
まず、一切の学校でのクラブ活動を中止すべきです。これは運動部だけでなく文化部も同じです。まず基本に戻りましょう。学校は何のためにあるのですか?です。
日本の義務教育の概念は素晴らしいです。いわゆる初等教育です。私が思うに、太平洋戦争前には、この権利すらなく学校に行けない人が多数いたのです。現在は水と同じように、あるのが当たり前になっていますが、当たり前に行けるようになっている学校で一番重要なことは、クラブ活動ではなく、学習することです。この学習は、義務教育後社会に出て他の人に迷惑をかけずに生活できるような知識を身につけ、修得することです。
決してクラブ活動ではないのです。
学校にクラブ活動がなくなると、ヨーロッパのように村に、町に、クラブが出来ます。そこには3~4歳から85~6歳ぐらいの方々が、集まり、楽しんでいます。私はフランスで見てきました。
何回か前に書いた卓球がそうでしたし、柔道などは日本より盛んです。ラグビーやバレー、音楽もありました。そうすれば運動部の先輩、後輩のいじめもなく、社会的なこともそこで教わることができます。
1971年の秋にパリの郊外、ブイジバル(面積2.76㎢、人口8941人)で同僚のジャン・リュックが柔道をやろうと行ったときに、4~5歳の子供たちが、一体どこから湧いてきたんだろうと思うぐらい25~6人ほど。騒いでいた子供たちが畳の上に上がる前に気を付けをして、深々とお辞儀をしていました。
正直、今のフランスから見れば、柔道において、日本は後進国だと思います。調べたわけではないですが、柔道人口は、日本の10倍は居ると思います。そしてネットに出ていましたが、フランスの柔道界の指導者による事故はないと、書いてありました。
クラブ活動がなくなれば、先生方に余裕が生まれ、管理するのではない生徒との会話が生まれ、生徒の悩みや授業の分からない点などを聞き取ってあげられると思います。たとえば、伝説のラジオ番組、全国こども相談室のようなものの方が、クラブ活動より有意義だと思います。
皆さん、スベールってご存じですか?これにはびっくり。
37年前に龍圡軒で結婚式を挙げられた高校の先生から教えていただきました。名前の通り、すべるのです。何からと云うと、学校舎の3階から避難するための脱出用シューターなのです。年に1回、生徒、教員、全員訓練するそうです。
で、つい最近、びっくりさせられたこと。
別の高校の先生からの話です。それは教育課程を済み、教職員免許を取得し、大学を卒業した人が就職するとすぐにクラス担任に就くとの話。ちょっと待って。
たしかに国家試験を合格したのだから、自動車の運転免許のように車を運転できるのですが、担任ではなく、試運転というか、慣らし運転。医師のインターン的なものがあったほうが良いと思います。
料理で云えば、調理師学校で調理師免許を取ってすぐに、お客様に何々の料理を出すのと同じことですから、いくら頭で分かっていても、実際は違いますし、調理器具も違い、お客様は、その方だけがお客様ではないので、学校のようには待ってはくれません。
これを子供たちにはちょっと乱暴だと思います。
皆さんはいかにお考えでしょうか?