自分が、自分の仕事の第一人者の「ちゃんと仕事のできる」プロフェッショナルになりたいと思ったとたん、仕事に対する意識や姿勢が変わってきた。

というか、立派そうに聞こえるが、それほど立派なことではなく、隊員たちに「幹部がプロフェッショナルにならないと恥ずかしい」と思わされたということだろう。

笑い事ではなく・・・・本当に色々なことが「恥ずかしかったなぁ」と思いだす。

他の人と同じでは、自分の価値が見いだせない。

「前任者を目標」にしたのでは、経験を積んだ者のスキルよりも落ちるのは当たり前で、絶対に追いつけない。

他人の真似をするのも能がないし、組織としても進歩がないだろう。

部下とは、違うものを持っていなくてはならない。

経験では、勝つことができない。

・・・・となると、自分で問題点を見つけ出して、それを改善していくしかない。

昨日よりも今日、今日よりも明日が、良くなっていけばいいか・・・・。

そう思えば、気が楽になった。

自衛隊のなかで、同じ肩書の職務は山ほどあるが、誰一人同じ環境条件で仕事をしているわけではない。

もし、現況が把握できていなければ、そこにいる価値はないが、今の部下と一緒に仕事をしている自分が現況を最もよく把握できていれば、それでいい。

自分がベストだと思うようにすればいい。

それでも上司から指導を受ければ、それをヒントに改善すればいい。

なにしろ、仕事をするのは自分なのだから・・・・。

自分の仕事については、負けることがあってはいけない。

頑張る。

そのためには、分らなければ聞く。これが一番手っ取り早い。

根拠はできる限り調べる。

根拠がない仕事はない。理由のない仕事もない。

任務や仕事の目的を明確に意識しておかなくてはいけないというのは基本中の基本なのだが、残念ながら、これを強く意識するようになったのは、ずいぶん後からだった。

これに気が付いてからは、長いスパンで長期的視野をもって、幅広に考えることができるようになった。

上司だって、任務に基づいて仕事をしているのだから、考えていることを理解するのは難しいことではない。

自分の仕事の価値を高める、付加価値をつけるにはどうしたらいいか。

色んなことを考えながら仕事ができるようになっていった。

しかし、その原点はどこにあったかと言うと、「ちゃんとやれ」ということだったように思う。