1 趣旨
「防災備蓄食品の廃棄ロスを削減して有効活用することにより、防災備蓄を推進する」ことを目的に、今後の活動に資するため、世田谷区社会福祉協議会を訪問し、活動の実態をお聞きしました。
上記目的に合わせ、食品ロスの削減(生活困窮者等への食の支援活動)、SDGs等への社会貢献活動を目指しています。
2 概要
①フードドライブ
- 家庭や個人からの未開封・未利用の食品を収集
- 子ども食堂。地域活動団体、食の支援が必要な家庭に届ける取り組み
- 年間約10t
②フードバンク
- 特に、基本食材(米や麺類等、食品メーカーの製品、備蓄食品等)として、保人や団体から大口の寄付を受付
- 年間約20t
③食品管理流通システム(㈱平塚アクアリーフ)導入
- システムで、出入庫・食品管理を実施
- ストックヤードを開設し、食の流通を円滑化
- 5つの地域事務所+生活困窮者自立相談センター(ぷらっとホーム世田谷)
- 食のポータルサイト「せ☆たべる」等協力企業情報等の公開(CSRとして)
- 地域活動する団体、個人と情報共有
3 視察所見
①全般
- システムが出来上がっていて、組織的に運営できる体制(組織体制の考え方、食品管理流通システム、ストックヤード)が整っている。
- システム運営の要は、「需給調整」
- 現場の生活困窮者の実態は、十分に把握できておらず、いわば自己申告の形、現場の組織、個人のニーズに応える形で運営されている。無理に把握しようとするとプライバシーの問題等さまざまな問題が生じて支援が適切に行うことが難しくなる可能性?
- 本活動は、社会福祉協議会が運営するさまざまな業務に関する現場の実態(社会の現状)を把握する場となっている。
- 世田谷区は、都心にあって供給側に輸送費負担がないため、食品の受け入れに問題がないことが最大の利点であり特徴。地元に食品会社、大消費地のない地域では、余剰食品の輸送費負担が問題になる。
- 社会福祉協議会では情報交換をしてはいるが、横の連携はない。世田谷区は、県レベルの大きさであり、現段階で、区内を統括、運営することで手一杯。他自治体もまだ整備途上で、同様の現状と思われる。
②「食の支援」のポイント
- 食をいかに提供するか
- 孤独、孤食の解消
- 需給調整(現場ニーズに合わせて、受け入れを調整)
③3年間のコロナの影響等
- イベント開催、食堂での会食(対面形式)ができなかった。
- 食の支援、食の困窮者は拡大
- 生活困窮者は増大傾向、今後特例給付金返済の問題顕在化する可能性
- 居場所のない子供たち多
- 高齢者支援の必要性が増大
- ICT活用拡大
- 「せ☆たべる」子供食堂68か所を運営
④その他
- 企業等への受領証発行
- 子供からの「感謝の手紙」等