いつの間にか東日本大震災から13年間が経った。

この間、防災への理解、特に災害への直接的な対処への関心が高くなり、自助への理解が広まったが、これは主として個人の行う防災対策で、準備がなければ自分自身がひどい目にあうことを深刻に認識されるようになった結果だ。

メディアが報じるとき、個人の被害や痛みは誰も反対しない、分かり易い話だから、伝えやすいという背景もある。

防災を“災害との戦争”と例えれば、これは戦闘レベルの話になる。

地域住民の災害対処要領をまとめた「防災地区計画」は、住民努力の成果として策定されるもので、戦闘計画にあたる。

地方自治体の地域住民への働きかけや指導の成果として、作成される。

地方自治体は「地域防災計画」を作成して「地区防災計画」を総合することにより、直接的な防災対策を実現する。

この「地域防災計画」は、言わば、作戦計画ともいうべきもので、戦闘に基盤を与える計画になる。

作戦レベルの準備が整わなければ、いくら立派な戦闘計画をたてても、思うほどの結果は得られない。

ICカードの活用や避難場所の整備や備蓄や支援の受入れ態勢の整備は、企業や他自治体や国と調整し、努力しなければ進まない分野の話で、地方自治体にしかできない分野の仕事になる。

残念なことに、多くの自治体の「地域防災計画」厚さは、数百ページ、千ページを超える分厚いものが出来て、確かに内容的には立派なものなのだが、ほとんどがコンサルに作成を依頼して作らせているようで、単なる参考書になってしまっている。

参考書としては良くまとまっているので使い道はある。

が、作戦を実行するための計画としては、再度、見直した方が良い。